よく起きる相続トラブルのお話

よく起きる相続トラブルのお話

新しく令和の時代が今日より始まりましたが、この「大相続時代」に相続問題は、ますます増えていくものと考えられます。その内容は、「遺産分割の方法について遺族がモメる」「相続税の納税額が高額となり納税負担に困苦しむ」そして、最近増えているのが「相続不動産をめぐる相続人の争い」の3つが特に目立ってきています。

1.少ない財産でもモメる可能性が高い

相続問題は、テレビドラマや映画の世界の話と思われて、「小さな自宅とすこしばかりの預貯金しかないし、妻も子供達も仲良く暮らしている我が家に相続問題なんておきるわけがない。 」多くの人たちはそう信じ込んでいます。ところが100人いれば100通りの相続があり、実際にお金が絡むと、血のつながった家族だからこそ、信じられないような骨肉の争いになるケースもたくさんあります。遺産は「ある日突然、舞い降りてきたお金」であり、そもそも自分たちのお金ではなかったはずなのです。
しかしながら、1円でも多く自分のものにしたくなるのが人間の欲というものなのです。実際に2011年度の司法統計年報を見ると、遺産分割でモメる案件は、相続税が課税される可能性の低い、相続財産が5,000万円以下が約75%を占めます。
原因としては、相続税もかからないだろうと、生前の対策や準備を全くしていなかった結果だと思われます。相続問題は無関係だと思っていると、後に大変な事になる可能性があります。相続問題はお金持ちやテレビドラマの中だけで発生する問題ではないということを十分認識しましょう。

2.あっというまに相続税の申告と納付の時がやってくる

ある日突然、被相続人が亡くなったことを知った相続人は、その10ヵ月後までに相続税を申告して納付する必要があります。その10か月の間に、死亡届を提出したり、遺言書の有無を調べたり、相続人調査をしたり、相続するか放棄するかの判断をしたり、被相続人の所得税を申告したり、遺言書がなければ遺産分割協議をして、話がまとまれば遺産分割協議書の作成も必要となります。それも話がうまくまとまればの話です。協議が難航すれば結果は容易に想像できます。サラリーマンや主婦の皆さんであれば、日々の生活にも追われます。相続は時間との勝負でもあるわけです。
あっという間にやってくる相続税の申告と納付の時期、相続財産の内訳の大半が現金や預貯金であれば、すぐに納付することも可能でしょう。しかし、相続財産の大半が不動産であれば、すぐに買い手を探して現金化するのも難しい可能性がありますし、せっかく相続した不動産を少しでも高く売ろうとしても、時間的な余裕もなかなかありません。
相続人が親や兄弟であれば、話もスムーズに進む可能性もありますが、顔も合わせた事のない親戚なども含めて、財産の処分となると10ヵ月などあっという間に時間が経ってしまいます。そのようなケースも考えて、相続する財産を換価しやすいものに資産換えしたり、生命保険などを活用して相続税の納付資金の確保をしておくことをお勧めします。

3.分割しにくい相続財産「不動産」

そして、最近増加しているのが、相続不動産をめぐるトラブルのお話。

とあるご家族のお話、お父様はすでに亡くなっており、今回お母様の遺産を2人で分けることになったご兄弟。お母様の遺産は、相続評価額2,500万円の土地付きの自宅と、500万円の預金のみ。相続税の支払いはありませんが、2人で1,500万円ずつ遺産を仲良くわけるにしても、兄はすでに奥さんとお母様が残された自宅に住んでおり、自宅を現金化して弟と分けることも難しい話です。
さらに弟は不動産屋で取引相場での価格を調べた結果、母の遺産の土地付き実家は3,500万円の価値があると聞かされて、自分は2,000万円もらう権利があると言い出す始末です。
このように、相続は単にお金だけの問題でなく、身内がお互いに争いあう「争(あらそい)族」へ発展してしまうことは、司法統計年報からも見て分かる話であり、そうならないためにも、生前から1日も早く相続問題に向き合うことが大事だと考えます。

香椎相続不動産事務所では、相続診断士による相続診断によりそれぞれのご家庭に隠された相続問題に関するリスク分析をおこなっておりますので、お気軽にご相談ください。

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