相続税の計算に係る株式の評価について

相続税の計算に係る株式の評価について

 先日も、株式の評価に関する相続税の申告漏れについて、ニュースになっていましたが、納税した方は適正に納税した認識、税務署さんの方は申告漏れの認識、こういうことがあると怖いですよね。
 今日は相続税に係る株式の評価について、国税庁のHPよりピックアップしました。少しでも気になる事があれば、税理士さんやお近くの税務署、もしくはLINE@に登録して頂いて、当事務所へお気軽にお問合せください。
別記事:名古屋の中央出版、創業者親族が100億円の申告漏れ

1 取引相場のない株式の評価について

[平成30年4月1日現在法令等]

 取引相場のない株式(「上場株式」及び「気配相場等のある株式」以外の株式をいいます。)は、相続や贈与などで株式を取得した株主が、その株式を発行した会社の経営支配力を持っている同族株主等か、それ以外の株主かの区分により、それぞれ原則的評価方式又は特例的な評価方式の配当還元方式により評価します。

1.原則的評価方式

  原則的評価方式は、評価する株式を発行した会社を総資産価額、従業員数、及び取引金額により大会社、中会社又は小会社のいずれかに区分して、原則として次のような方法で評価をすることになっています。

(1) 大会社

 大会社は、原則として、類似業種比準方式により評価します。類似業種比準方式は、類似業種の株価を基に、評価する会社の一株当たりの「配当金額」、「利益金額」及び「純資産価額(簿価)」の三つで比準して評価する方法です。
 なお、類似業種の業種目及び業種目別株価などは、国税庁ホームページで閲覧できます。

(2) 小会社

 小会社は、原則として、純資産価額方式によって評価します。純資産価額方式は、会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額により評価する方法です。

(3) 中会社

 中会社は、大会社と小会社の評価方法を併用して評価します。

2.特例的な評価方式

 取引相場のない株式は、原則として、以上のような方式により評価しますが、同族株主等以外の株主が取得した株式については、その株式の発行会社の規模にかかわらず原則的評価方式に代えて特例的な評価方式の配当還元方式で評価します。配当還元方式は、その株式を所有することによって受け取る一年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して元本である株式の価額を評価する方法です。

3.特定の評価会社の株式の評価

次のような特定の評価会社の株式は、原則として、(1)~(5)については純資産価額方式により、(6)については清算分配見込額により評価することになっています。
 なお、(1)~(4)の会社の株式を取得した同族株主等以外の株主については、特例的な評価方式である配当還元方式により評価します。

  1. (1)類似業種比準方式で評価する場合の3つの比準要素である「配当金額」、「利益金額」及び「純資産価額(簿価)」のうち直前期末の比準要素のいずれか2つがゼロであり、かつ、直前々期末の比準要素のいずれか2つ以上がゼロである会社(比準要素数1の会社)の株式
  2. (2)株式等の保有割合(総資産価額中に占める株式、出資及び新株予約権付社債の価額の合計額の割合)が一定の割合以上の会社(株式等保有特定会社)の株式
  3. (3)土地等の保有割合(総資産価額中に占める土地などの価額の合計額の割合)が一定の割合以上の会社(土地保有特定会社)の株式
  4. (4)課税時期(相続の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)において開業後の経過年数が3年未満の会社や、類似業種比準方式で評価する場合の3つの比準要素である「配当金額」、「利益金額」及び「純資産価額(簿価)」の直前期末の比準要素がいずれもゼロである会社(開業後3年未満の会社等)の株式
  5. (5)開業前又は休業中の会社の株式
  6. (6)清算中の会社の株式

 以上それぞれの評価方法に応じて、この取引相場のない株式の評価をするときには、「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」を使用していただければ比較的容易に株価の計算ができるようになっています。

(評基通168、178から180、185、188、188-2、189から189-6)

2 上場株式の評価について

[平成30年4月1日現在法令等]

 上場株式とは、金融商品取引所に上場されている株式をいいます。
 上場株式は、その株式が上場されている金融商品取引所が公表する課税時期(相続の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)の最終価格によって評価します。
 ただし、課税時期の最終価格が、次の三つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。

  1. 1 課税時期の月の毎日の最終価格の平均額
  2. 2 課税時期の月の前月の毎日の最終価格の平均額
  3. 3 課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額

 なお、課税時期に最終価格がない場合やその株式に権利落などがある場合には、一定の修正をすることになっています。
 以上が原則ですが、負担付贈与や個人間の対価を伴う取引で取得した上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価します。

 上場株式の価額は、「上場株式の評価明細書」を使用して評価することができます。

(評基通168から172)

  •  国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。

少しでも理解をしようとして理解できたのは、上場企業の株式より非上場企業の株式の評価の方が難度も高く、また先ほども申し上げましたが、名古屋の中央出版、創業者親族が100億円の申告漏れのように、納税者と収税者の認識が違うとなると、ルールだけの問題でもないような気がします。

何はともあれ、当事務所の提携税理士さんは、相続に専業特化した税理士さんですので、まずはLINE@にご登録いただき、福岡市東区の香椎相続不動産事務所へお気軽にお問合せして頂けたらと思います。


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