兄弟の相続争いを弁護士にお願いして解決した結果こうなりました

兄弟の相続争いを弁護士にお願いして解決した結果こうなりました

兄弟で親からの財産を相続する際、親からの遺言もなく、相続する財産も何がなんだか分からない、よくよく調べてみると、一等地にまとまった不動産があることが分かり、兄弟の目の色が変わって遺産分割協議は難航、最終的に弁護士が間に入って話を進めることになりましたが、この結果兄弟の関係はどうなるのでしょうか?

そもそも弁護士のお仕事とは

弁護士とは法律の専門家として、事件の問題解決をサポートする法律の専門家であり、刑事事件や民事事件に関するトラブルの相談業務や法的な手続きを行い、基本的人権を守り、社会正義の実現を目指す仕事です。

弁護士が扱うお仕事の案件は、国が犯罪を犯した者に対して罪を問う「刑事事件」と人や企業同士が争う「民事事件」に分かれますが、こうした事件は法律上の問題が複雑に絡み合う事が多いので、一般の人には判断が難しく、理解しにくいものとなっています。

そこで、弁護士は法律の専門家として、さまざまなトラブルに対しての予防方法やアドバイス、法的手続きを行い、問題解決にむけてのお手伝いを行います。

多くの弁護士が扱う民事事件の場合、まずは依頼人の話を聞き、適切なアドバイスや時には相手方との話し合い、裁判に必要な書類作成など、案件によってさまざまな業務をこなしています。

弁護士になるには

弁護士になるためには、司法試験に合格することが必要ですが、その司法試験の受験資格を得るために、法科大学院(ロースクール)を修了することが必要です。司法試験の予備試験に合格するというルートもありますが、合格率は非常に低いのですが、近年ロースクール制度の開始により、弁護士数は急速に増加しています。併せて女性の比率が高まってきているのも特徴です。

弁護士って何人くらいいるの

日本の弁護士の数は難関な資格なため、やはり数は少ないイメージですが、ロースクール制度の開始により、急速に数が増えていますが、日弁連(日本弁護士連合会)の統計によると、2019年3月31日現在、41,118人内女性が7,171人となっています

弁護士の費用(報酬)ってどのくらいかかるの

弁護士の費用(報酬)は非常に高いイメージがありますが、実際のところどんなものか気になります。弁護士の費用は各々の弁護士がその基準を定めることになっており、標準価格のようなものはありません。とは言え、オープン価格と言ってもある程度の目安がないと不安になるのも事実です。

しかし、オープン価格といってもある程度目安がないとその価格がどの程度かかるのかまったく予測がつかないことになりかねません。

インターネット上には、様々な相場の情報があります。予め下調べをした上で、直接問合せをした方が良いでしょう。とは言え、お知り合いの弁護士がいらっしゃらなければ、当事務所からのご紹介も可能です。問合せ=業務の依頼ではないので、安心してお気軽にお問合せください。


タイトルから少し離れて、弁護士さんの事について書かせて頂きましたが、彼らが入る事でまとまる話もあれば、失うこともあるお話を書かせて頂きます。

弁護士さんの介入で完全に失った親子関係

これはとある私のお客様のお話です。お客様から了解を得ていますが、プライバシーにかかわる部分は脚色しています。

地元の資産家であった父親

私のお客様、福岡市東区に佐藤三郎さん(仮名)、彼には弟の五郎(仮名)さん、そして父親の一郎(仮名)さんがいます。

既に独立して家庭を持っている 三郎さんと五郎さんですが、故郷に残した一人暮らしの一郎さんのことを兄弟はいつも気にかけています。

地元でも有名な資産家であった一郎さんは、500坪の敷地に有する立派な自宅の他、市内の一等地にある数百坪の立体駐車場や、賃貸マンション等を数棟所有しており、その資産はざっと十数億円と噂されています。

そんな資産家の一郎さんなので、顧問税理士さんからは、早めの相続対策を勧められていましたが、とても頑固な性格の一郎さんは、自分が亡くなった後の事は知らないと、全く相続対策をしませんでした。

そんな一郎さんは、三郎さんと五郎さんの手がかからなくなった二十数年前に突然母親と離婚。その後の身の回りのお世話はお手伝いさんにお願いをする毎日でしたが、ここ数年ご高齢のため体調もすぐれず、最近は入退院を繰り返す毎日でしたが、その都度、三郎さんはかかりつけの病院より入院の承諾書を郵送してもらい、病院へ送り返すことを繰り返していました。

突然現れた二人の新しい母親(後妻)

そんなある日、父親の一郎さんから連絡があり、体調が優れないので入院をしたとの事。三郎さんはいつもの事と思いながらも、父親を見舞う事にしました。

しかしながら、今回の一郎さんの入院に際して、三郎さんが不思議に思ったのが、いつもは身内の自分に郵送されてくる、一郎さんの入院の承諾書が送られて来なかったことです。

病院に確認をすると、奥様から承諾書を得たとの回答でしたが、一郎さんは、三郎さんと五郎さんの母親とは、二十数年前に離婚をしているはず。一瞬疑問に思いましたが、思い当たることがあり、一郎さんを問いただしました。

やはり三郎さんの予想通りで、二十数年前の離婚後、身の回りの世話をしていた、お手伝いさんと再婚をしたとのこと。もしかすると離婚以前からの関係だったのかも知れませんが、今となっては知る由もありません。こうして義理とはいえ、三郎さんと五郎さんの母親の関係になったわけです。

今回の入院でドクターから、一郎さんは不治の病であり、そう長くはないと知らされました。一郎さんの再婚、そして治療の難しい不治の病を知り、三郎さんは五郎さんと共に、頭を抱える問題を二つ抱えることとなりました。

しかしながら、父親から伝えられて一つ安心したことは、「実家の仏壇の引き出しに、遺言を残しているので、自分が亡くなったあとは、義理の母親となったお手伝いさんと、兄弟で遺言の内容にそって仲良く分けるように。」と言われたことです。

その後、約半年、義理の母親と兄弟の看病が続きましたが、看病の甲斐なく一郎さんは亡くなってしまいました。

あるはずだったのになかった遺言書と弁護士の介入

生前の言いつけ通り、一郎さんの葬儀は義理の母親と、三郎さん五郎さん家族の家族葬で見送ることとなりましたが、一郎さんの火葬を終えたあと、突然義理の母親からこんな話を切り出されました。

「一郎さんの財産の事はよくわからないので、私の相続分は弁護士さんにお任せしています。何かあれば弁護士さんに連絡をとってもらえますか。」

三郎さんも五郎さんも、既に独立をして距離をおいていたとはいえ、父親との別れの悲しみも癒えてないような段階で、義理の母親から伝えられた話にショックを受けた二人の兄弟は、「ここでの話も何なので、明日実家で話をしましょう。」という事でその日は話を終えました。

翌日、三郎さんと五郎さんは、実家を訪れました。二人は生前に父から伝言されていた、仏壇にある遺言を探し出し、家庭裁判所で検認をしてもらうつもりです。

父からの伝言通り、仏壇に入っていると聞かされていた遺言を探してみましたが、仏壇どころか思いつく場所を家じゅうどこを探しても遺言は見つかりません。

一生懸命になって、家じゅうをひっくり返して遺言探しをする兄弟の姿に、苛立ちを見せ始めた義理の母親は、「そんなものは見たことも聞いたこともない、もう貴方たちとは関係ないから、この家から出ていってください。」と追い出される羽目になりました。

結果、遺言は見つからず、義理の母親、そして兄弟それぞれ弁護士を立てて遺産分割が合意することになり、兄弟二人にもそれぞれ数億円の遺産が入ってくることになりました。

一般の家庭であれば、数億円の遺産が入れば嬉しい話ですし、もちろん三郎さん達にとっても有り難い父親からの贈り物だと思います。

しかし、彼らは最後にこう言いました。

「親父は最後まで面倒を残して勝手に死んでいった。」

もし、一郎さんが、生前にしっかりとした相続対策を行っていたら、せめて公正証書遺言を残していたら、莫大な財産を遺族に残したものの、真実は闇に葬られたまま、正一郎さんは子供たちに恨まれて最期を迎えてしまいました。


相続問題によくある前妻の子どもたちと、後妻さんの間のトラブル。

普通にまとまりにくい話ではありますが、葬儀直後に後妻さんから、「後は弁護士にお任せしてるので、そちらと話をして解決してください。」子供さんたちに言わせれば、いきなりファイティングポーズを取られたようなものです。

もしかすると、親類縁者の介入で少しは円満に話がまとまれば、彼岸や年末年始にお仏壇にお参りにいく機会が得られたかも知れませんが、それも難しい関係になりました。

なかなか遺産分割協議など、話をしたり自分の本音を伝えるのが苦手な人が、弁護士さんへの依頼など検討されることがありますが、私自身は弁護士さんの介入は最終手段だと思っています。まずは自分自身の相談レベルで弁護士さんはお願いするようにしましょう。

福岡の相続や事業承継に関してお困りのことがあれば、福岡の香椎相続不動産事務所へお気軽にご相談ください。


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