「おひとりさまの終活ガイド|大切な財産を国庫に帰属させないための正しい順序」
― おひとりさまの相続対策で「今すぐ」考えるべき3つのこと ―
「自分が亡くなった後、家はどうなるのだろう」。おひとりさまでこの問いを持ったとき、多くの方が「遺言を書けばいい」と考えます。しかし、おひとりさまの相続対策において、遺言書は「最後の手段」であって「最初の準備」ではありません。遺言より先に決めるべきことがあり、それを知らないまま時間が過ぎることが、最も大きなリスクです。
この記事を読むと得られること(FAQ)
おひとりさまの相続対策:「準備ゼロ」が招く国庫帰属のリスク
民法には、遺言がない場合の法定相続のルールがあります。相続人の順位は、第1順位が子ども、第2順位が親・祖父母、第3順位がきょうだい(きょうだいが亡くなっていればおい・めいまで)です。いとこは対象外です。
子どももきょうだいもおらず、親もすでに亡くなっていれば、相続人不存在となります。家庭裁判所が相続財産清算人を選任し、手続きを経てもなお引き受け手がなければ、財産は国のものになります。この手続きは自動的に進むものではなく、清算人による公告・債務弁済などの一連のプロセスを経た末の結果です。
最高裁判所への取材をもとにした複数の報道によれば、2024年度に国庫へ帰属した相続財産は約1,292億円にのぼります。記録のある2013年度と比べると約4倍近い規模に拡大しており、この問題が急速に広がっていることが分かります。また同年、相続財産清算人の選任申立ても年間約7,000件に達しているとされています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、単独世帯(一人暮らし)は2050年に全世帯の約44%前後に達するとされています。これはすでに一部の人の話ではなく、社会全体のテーマです。
「家族がいるから大丈夫」という思い込みの構造
おひとりさまの問題と聞いて、「自分には関係ない」と感じる方がいます。しかし、この問題は独身者だけの話ではありません。
子どものいない夫婦も、配偶者を先に亡くした方も、配偶者が亡くなった瞬間に同じ状況に直面します。きょうだいがいても、長年疎遠だった・絶縁状態にあるという方も同じです。
だからこそ、生前に自分の親族関係を一度洗い出し、本当に頼れる人が誰なのかを確認しておくことが、おひとりさまの相続対策の出発点です。福岡市東区・香椎エリアでも、「相続人はいるはずだったのに連絡がとれない」というご相談は少なくありません。なお、各地の家庭裁判所や自治体によって実務運用に差がある場合もあるため、詳細は専門家への確認をお勧めします。
遺言書より先に決めるべきこと
誰が「動いてくれるのか」を法的に決める
相続の準備として遺言書を思い浮かべる方は多いですが、実はその前に考えるべき問題があります。亡くなった後、誰が動いてくれるのかという問題です。
死亡届を提出できるのは法律で定められた親族などに限られ、仲のよい友人に頼むことはできません。病院への対応・葬儀・行政手続き・家の片付けまで、誰が担うのかを決めておく必要があります。
遺言書があっても、動いてくれる人がいなければ何も機能しません。「遺言書を書いたから安心」と思っていた方が、実際には誰も動けなかったというケースは実務上も見られます。
デジタル資産という見落としがちなリスク
もう一つ、見落とされがちな問題があります。ネット銀行・ネット証券・暗号資産など、パスワードや口座情報を誰も知らないまま眠っているデジタル資産です。
スマートフォンの中に、誰にも引き継がれない財産が眠っている可能性があります。こうした資産は遺言書があっても、存在が知られなければ引き継がれません。
おひとりさまの相続対策における遺言書の2段構え
動いてくれる人が決まったら、次は遺言です。まず、法務省の自筆証書遺言書保管制度を活用して自筆証書遺言を法務局に保管することを検討してください。2020年7月の制度開始以来、累計10万件を超える保管実績があり(法務省公表資料より)、制度の認知度は着実に高まっています。
ただし「書いたから安心」は禁物です。自筆証書遺言はあくまでつなぎとして認識したうえで、より確実性の高い公正証書遺言についても、専門家や公証役場に相談することをお勧めします。
公証役場は現在、数か月待ちの状況が続いているケースもあります。だからこそ、まず自筆証書遺言を法務局に保管しながら、並行して公証役場に予約を入れる2段構えが現実的です。
遺言書は「一度作って終わり」ではない
遺言書は保険と同じで、状況が変わったら見直すものです。家族の状況が変わったり、気持ちが変わったりしたら、その都度更新することが重要です。
「今の自分の意思を残しておくこと」ができるのは、判断能力がある今だけです。おひとりさまの相続対策において、「いつか考えよう」が最も危険な選択です。
香椎相続不動産事務所では、おひとりさまの相続対策について、お問い合わせ・無料相談を受け付けています。遺言書作成だけでなく、死後事務委任契約・任意後見契約の専門家紹介まで、ワンストップでご支援します。
- 相続人がいるかどうかを確認する:親族関係を洗い出し、本当に頼れる人が誰かを把握する
- 動いてくれる人を法的に決める:死後事務委任契約・任意後見契約を専門家と検討する
- デジタル資産を整理する:ネット口座・暗号資産・パスワードの管理方法を信頼できる人と共有する
- 自筆証書遺言を法務局に保管する:まず一歩として、法務局の保管制度を活用する
- 公正証書遺言へ移行する:公証役場に予約を入れ、より確実な形に整える
まずは無料相談からお気軽にどうぞ
香椎相続不動産事務所では初回相談無料でご対応しています。
おひとりさまの相続対策・遺言書作成・専門家紹介まで一体的にサポートします。
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