デジタル遺言がついに解禁?2026年民法改正案と「スマホで遺言」の法的リスク

デジタル遺言・保管証書遺言の2026年民法改正案閣議決定とスマホで遺言を作る際の注意点のイメージ・福岡の遺言書作成

デジタル遺言改正案、閣議決定。
「スマホで遺言」が実現するまでに知っておくべきこと
― 「閣議決定=すぐ使える」ではない。制度の現在地を正確に理解する ―

2026年4月3日、パソコンやスマートフォンで遺言書を作成できる新しい方式「保管証書遺言(デジタル遺言)」の創設を含む民法改正案が閣議決定されました。しかしこれは閣議決定の段階であり、国会での成立・施行には至っていません。現時点でパソコンやスマホで作成したデータ形式の遺言書は法的効力を持ちません。デジタル遺言をめぐる制度の現在地と、今実際に取れる行動を整理します。

この記事を読むと得られること(FAQ)

Q. 「デジタル遺言(保管証書遺言)」は今すぐ使えますか?
A. 2026年4月20日現在、使えません。民法改正案は2026年4月3日に閣議決定されましたが、国会での成立・施行には至っていません。施行時期は法務省から公式には示されておらず、一部報道で「2028年度中」との見込みが伝えられていますが確定情報ではありません。現時点でパソコンやスマホで作成したデータ形式の遺言書は民法上の効力がないため、今すぐ法的に有効な遺言書を作成したい場合は、自筆証書遺言または公正証書遺言を選ぶ必要があります。
Q. 「保管証書遺言(デジタル遺言)」とはどのような制度ですか?
A. 2026年4月3日閣議決定の民法改正案に盛り込まれた新しい遺言方式です。パソコンやスマートフォンで遺言の全文を作成し、電子署名(マイナンバーカード等の利用が見込まれています)を付与した上で、法務局の遺言書保管官の面前で遺言の全文を口述し、法務局に保管することで効力が生じる仕組みとされています。詳細な手続きは法案成立後の省令等で定められる予定です。
Q. 公正証書遺言のデジタル化はいつから始まっていますか?
A. 2025年10月1日から施行されています。公証人とウェブ会議で公正証書遺言を作成できるようになりました。証人2名の立ち会いは引き続き必要ですが、全員がリモートで参加できます。公証役場に出向けない方にとって、距離・体力的な障壁が下がりました。

遺言書のデジタル化:何が変わり、何がまだ変わっていないか

遺言書のデジタル化は段階的に進んでいます。2026年4月現在の状況を時系列で整理すると、すでに施行済みのものと、まだ施行前のものが混在しています。

2020年7月
施行済
自筆証書遺言の法務局保管制度スタート
手書きで作成した自筆証書遺言を法務局に保管できる制度が開始。紛失・隠匿を防ぎ、検認不要になるメリットがある。2026年4月現在も引き続き利用可能。
2025年10月
施行済
公正証書遺言のウェブ会議による作成が可能に
公証人とのウェブ面談で公正証書遺言を作成できるようになった。証人2名の立ち会いは引き続き必要。公証役場への出向が難しい方にとって大きなメリット。
2026年4月3日
閣議決定
保管証書遺言(デジタル遺言)を含む民法改正案が閣議決定
スマホ・パソコンで作成し法務局が保管する新方式「保管証書遺言」の創設を含む改正案が閣議決定。国会での審議・成立を経た上で施行される予定。
施行時期
未定
保管証書遺言(デジタル遺言)の施行(未定)
施行時期は法務省から公式には示されていない。一部報道では「2028年度中」との見込みが伝えられているが、確定情報ではなく、法務省の公式発表を継続して確認する必要がある。

現時点でパソコン・スマホで作成したデータ形式の遺言書は、民法上の効力がありません。民法968条は自筆証書遺言について「遺言者が全文・日付・氏名を自書し、印を押さなければならない」と定めており、タイピング入力はこの「自書」要件を満たさないと解釈されています。「デジタル遺言が閣議決定された」というニュースを見て、今すぐスマホで遺言を作っても、それは法的に無効な文書です。

保管証書遺言(デジタル遺言)の仕組みと注意点

閣議決定された改正案によれば、新しい「保管証書遺言」は次のような流れで成立する見込みとされています。なお、詳細な手続きは法案成立後の省令等で定められる予定であり、変更の可能性があります。

保管証書遺言の手続き(閣議決定内容に基づく見込み)

ステップ 内容(見込み)
①作成 パソコン・スマホ等で遺言の全文を作成する(手書き不要の見込み)
②電子署名 マイナンバーカード等を使った電子署名の付与が見込まれている(詳細は省令待ち)
③本人確認・口述 法務局の遺言書保管官の面前(対面またはウェブ会議)で、遺言の全文を口述する
④保管申請 法務局に保管申請を行い、保管が完了すると遺言が効力を生じる見込み

「全文の口述」が実務上の大きなハードルとなる見込みです。単に「はい」と確認するだけでは足りず、遺言の内容全体を自ら読み上げる必要があるとされています。高齢の方・発声に不安のある方にとっては大きな負担となる可能性があります。一方、公正証書遺言は公証人が文章を読み聞かせ、本人は「承認します」と答えるだけで済むため、口述の負担は大幅に軽減されます。

3つの遺言方式を比較する:今選ぶべきはどれか

項目 自筆証書遺言
(法務局保管)
公正証書遺言
(ウェブ作成可)
保管証書遺言
(未施行・見込み)
手書き 必要(全文・日付・氏名) 不要 不要(見込み)
費用 保管料3,900円 公証人手数料(財産額による) 未定
検認 不要(法務局保管の場合) 不要 不要(見込み)
専門家関与 不要(内容は自己責任) 公証人が関与・内容確認あり 保管官が関与(範囲は省令次第)
今すぐ使えるか ○(ウェブ対応も可) ✕(未施行)

「待つ」か「今動く」か:制度を待つリスク

「デジタル遺言が使えるようになるまで待とう」という選択は、一見合理的に見えます。しかしこの待ちの姿勢には、見落としがちなリスクがあります。

施行時期は現時点で未定です。一部報道では「2028年度中」との見込みが伝えられていますが、法務省の公式見通しではなく確定情報ではありません。その間に健康状態が変わったり、判断能力が低下したりすれば、いかなる遺言方式でも作成が難しくなります。制度が整う前に、判断能力がある「今」こそが準備の最善のタイミングです。

遺言書の本質は「作れる制度があること」ではなく、「判断能力がある今、自分の意思を残しておくこと」にあります。制度の進化を待つより、現行の制度で今すぐ始めるほうが、多くの場合に現実的な選択です。

現行の制度で今すぐ準備できる選択肢として、法務省の自筆証書遺言書保管制度(保管料3,900円・検認不要)か、公正証書遺言(ウェブ面談対応)があります。保管証書遺言が施行された後に切り替えることも可能です。

福岡市東区・香椎エリアでも、「どの方式で遺言書を作れば良いか分からない」という相談は増えています。香椎相続不動産事務所では、相続コンサルティングの一環として遺言書の方式選びから作成サポートまで、ご家族の状況に合わせてご支援しています。まずはお問い合わせ・無料相談からどうぞ。

民間で提供されている「デジタル遺言サービス」は、現時点では民法上の法的効力を持ちません。エンディングノートの電子版・意思整理ツールとして活用することは有効ですが、法的に有効な遺言書の代替にはなりません。法改正成立・施行まで、この点は変わりません。

まずは無料相談からお気軽にどうぞ

香椎相続不動産事務所では初回相談無料でご対応しています。
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福岡市東区香椎2丁目8-4|相続コンサルティング・遺言書作成・相続不動産活用

TEL: 092-202-2300

またはお問い合わせフォームからご連絡ください

本記事は2026年4月20日時点の情報をもとに作成しています。民法改正案(保管証書遺言の創設を含む)は2026年4月3日に閣議決定された段階であり、国会での成立・施行時期は未定です。「2028年度中施行」との情報は一部報道に基づくものであり、法務省の公式見通しではありません。記事内の制度概要は閣議決定された要綱案に基づくものであり、国会審議・省令等によって変更される可能性があります。施行時期・手続き詳細は法務省民事局の公式発表をご確認ください。公正証書遺言のウェブ会議対応は2025年10月1日施行。自筆証書遺言の保管料3,900円は2026年4月現在の情報です。具体的なご判断の際は必ず専門家へのご相談をお願いいたします。

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