【2026年最新】貸付用不動産の「5年ルール」とは?
相続直前の節税対策が変わるポイント
― 「2026年中に買えば間に合う」という考え方の落とし穴 ―
「相続対策でアパートやマンションを購入すれば評価額が下がる」という手法は、長年にわたって相続税対策の「定番」とされてきました。しかし2025年12月19日に公表された2026年度税制改正大綱には、貸付用不動産の評価方法を見直す「5年ルール」改正案が盛り込まれており、今後の正式成立を待つ段階です。「2026年中に駆け込みで購入すれば節税できる」という情報も出回っていますが、この考え方には重要な落とし穴があります。改正案の内容と、今後の思考の整理を目的にこの記事を書きます。
この記事を読むと得られること(FAQ)
「5年ルール」改正案の概要:何がどう変わる見込みか
これまでの貸付用不動産を活用した相続税対策は、現金を不動産に替えることで評価額を大きく引き下げるものでした。土地は路線価(概ね時価の8割程度)、建物は固定資産税評価額(時価の5〜7割程度)で評価され、さらに貸付用として使うことで「貸家建付地評価減」などが適用される仕組みです。国税庁の事例として取り上げられたケースでは、21億円で購入した賃貸マンションが相続税評価額では4億円台まで下がったとされています。
2026年度税制改正大綱では、こうした行き過ぎた節税を制限するため、相続開始前5年以内に取得・新築した一定の貸付用不動産については、従来の路線価方式ではなく「取得価額を基に地価変動等を考慮した価額」を基準に評価する改正案が示されています。ただし「一定の貸付用不動産」の具体的な範囲や、評価計算の詳細は今後の通達で明らかになる予定です。
| 項目 | 現行(改正前) | 改正案(見込み・詳細は通達待ち) |
|---|---|---|
| 評価方法 | 路線価・倍率方式(+貸家建付地評価減等) | 取得価額を基に地価変動を考慮した価額を基準に見直し(5年以内取得の場合) |
| 節税効果の目安 | 時価の4〜6割程度まで圧縮可能なケースも | 大幅圧縮の余地が縮小する見込み(具体的な数値は通達待ち) |
| 5年超保有の物件 | 路線価方式等が適用 | 路線価方式等が引き続き適用される見込み(対象外の見通し) |
| 不動産小口化商品 | 路線価等による大幅な評価減が可能 | 取得時期に関わらず時価(通常の取引価額)で評価する案が示されている |
重要:施行時期・適用範囲はまだ確定していません。大綱段階の情報では令和9年(2027年)1月1日以後の相続・贈与への適用が示されていますが、国会審議・通達改正を経て正式成立するものであり、内容が変更される可能性があります。「5年ルール」という通称が広まっていますが、制度の詳細は今後の通達発遣を継続確認することが不可欠です。
「2026年中に買えば間に合う」という考え方の落とし穴
「2026年中に賃貸物件を購入すれば、新ルール適用前に節税できる」という情報を耳にされた方もいるでしょう。しかし、この考え方には重要な落とし穴があります。
改正案では、相続が発生した時点から見て「取得から5年以内」の物件が見直しの対象とされる見込みです。つまり2026年中に購入しても、将来の相続時点で取得から5年以内の要件に当たれば影響を受ける可能性があります。
相続がいつ発生するかは誰にも予測できません。「2026年中に買えば間に合う」という考え方は、「2026年中に相続が発生した場合」に限定した話に過ぎません。年齢・健康状態・家族構成によっては、2026年中の購入が期待した節税効果を生まない可能性があります。購入のタイミングと相続発生のタイミングは切り離して考えることが重要です。
経過措置:5年前から保有する土地に建物を新築するケースの扱い
大綱には一定の経過措置に関する方針も示されています。改正通達が定められた日の時点で、すでに5年以上保有している土地に新築工事を開始している場合(建築中のものを含む)は、改正案の対象外となる見込みとされています。ただし「改正を通達に定める日」がいつになるかはまだ確定していないため、今後の通達発遣に注意する必要があります。
改正案が相続対策に与える本質的な変化
この改正案の本質は、「短期的な節税目的の不動産取得」に制限をかけることです。長年にわたって行われてきた「駆け込み購入」という手法に対して、税務当局が方針として見直しを示した形です。
福岡の相続不動産を持つ方が今すぐ確認すべきこと
福岡市東区・香椎エリアでも、「相続対策として購入したアパートの評価が今後どうなるか」というご相談が増えています。改正案の動向を見据えながら、今保有している貸付用不動産の取得時期・評価状況を早めに整理しておくことが重要です。
香椎相続不動産事務所では、相続コンサルティングの一環として、相続不動産の評価・活用・売却の方針整理から、提携する相続専門税理士へのつなぎまで、一体的にご支援しています。詳細な税務判断は必ず税理士にご相談ください。まずはお問い合わせ・無料相談から現状の整理を始めてみてください。
令和8年度税制改正大綱の詳細および今後の通達は国税庁の税制改正に関する情報ページおよび財務省の公表資料で随時更新されます。改正案の内容は正式成立まで変更される可能性があるため、継続確認をお勧めします。
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