2026年10月施行「登記情報連携サービス」で何が変わる?銀行・役所の手続きが劇的に簡略化される未来

登記情報連携の拡大で役所・相続手続きが変わる背景と今できる準備・デジタル化と相続登記の関係・福岡

2025年度拡大「登記情報連携」で何が変わる?
役所・相続手続きが変わる背景と今できる準備
― デジタル化が進んでも「登記情報の正確さ」が前提になる ―

「役所に行くたびに、法務局で取ってきた登記事項証明書を提出しなければならない」——この手間をなくす取り組みが、法務省とデジタル庁により本格化しています。「登記情報連携」と呼ばれるこの仕組みは、令和7年度(2025年度)に地方公共団体での利用を大幅に拡大する方針が示されており、相続登記の義務化とあわせて、不動産に関わる手続きの環境が大きく変わりつつあります。この記事では、登記情報連携の現在地と、相続に関わる方が今から考えておくべきことを整理します。

この記事を読むと得られること(FAQ)

Q. 「登記情報連携」とはどのような取り組みですか?
A. 法務省とデジタル庁が共同で進める取り組みで、不動産・会社法人の登記情報を、国や地方の行政機関の端末から直接確認できるようにするものです。これにより、各種行政手続きで登記事項証明書を添付する必要がなくなり、国民の書類取得の手間と費用が削減されることが期待されています。2023年2月から一部地方公共団体での先行運用が始まり、法務省は令和7年度(2025年度)に地方公共団体での利用を大幅に拡大する方針を発表しています。
Q. 登記情報連携が進むと、相続手続きはどのように変わりますか?
A. 行政機関での手続きにおいて、登記事項証明書の提出が不要になることが期待されています。相続に関連する福祉サービスの申請や空き家・不動産に関する行政手続きで、職員が直接システムから登記情報を確認できるようになります。これにより、住民が法務局に出向いて証明書を取得する手間と費用(1件あたり約600円)が削減される見込みです。ただし現時点では行政機関向けの連携が主体であり、民間金融機関での直接利用については今後の展開を見守る必要があります。
Q. 登記情報連携の進展に備えて、今から何を準備しておくべきですか?
A. 手続きが便利になる流れとは別に、相続登記の義務化(2024年4月〜)や住所変更登記の義務化(2026年4月1日〜)への対応は今すぐ必要です。デジタル化が進んでも、登記情報の中身が正確でなければ連携のメリットは生まれません。未登記の不動産がある場合は、早めの名義変更・現状確認が最初の一歩です。

「登記情報連携」とは何か:仕組みと現在地

これまで行政機関での各種手続きでは、不動産の権利関係を証明するために「登記事項証明書」を法務局で取得して提出する必要がありました。法務局への往復・窓口での待ち時間・1件あたり約600円の取得費用——これらが国民の負担になっていました。

「登記情報連携」は、この構造を変えるための取り組みです。法務省とデジタル庁が共同で整備している登記情報連携システムにより、行政機関の職員が端末から直接・即時に登記情報を確認できるようになります。住民が証明書を取り寄せて持参する必要がなくなり、行政手続きがスムーズになることが期待されています。

令和6年10月にひたちなか市で実施した試行では、2週間の抽出調査で約44時間の業務削減効果が確認されました(法務省・2025年5月公表資料)。年間換算で1,000時間以上の削減効果が見込まれており、全国展開が進めば数十億円規模の削減効果になるとされています。

登記情報連携の拡大:現在地と今後の方向性

2023年2月
先行開始
一部地方公共団体での先行運用スタート
登記情報連携システムの先行運用が、一部の地方公共団体を対象に開始。行政機関が直接登記情報を確認できる仕組みの概念実証として活用された。
2024年10月
試行
ひたちなか市での公用請求代替の試行
2週間の抽出調査で約44時間の削減効果を確認。行政機関が法務局に赴かず即時に登記情報を取得できることの業務効率化効果が実証された。
2025年度
拡大中
地方公共団体での利用を大幅拡大
法務省は令和7年度(2025年度)に地方公共団体における登記情報連携を大幅に拡大する方針を発表(令和7年4月公表)。第一次募集は2025年6月30日期限で行われている。
今後
拡充予定
国の行政手続き・民間機関への展開(検討中)
現時点では行政機関向けの「公用請求代替」が主体。民間金融機関(銀行等)での直接的な登記情報連携については、別の仕組みの整備が必要であり、今後の動向を確認する必要がある。

コメントや一部報道にある「2026年10月施行」「銀行での手続きが即時完了」は、現時点では公式に確認できる情報ではありません。現在の登記情報連携は主に地方公共団体(役所)向けの行政機関間の連携であり、銀行等の民間金融機関との直接連携は今後の検討事項となっています。過大な期待を持たず、正確な現在地を把握した上で準備することが重要です。

登記情報連携と相続手続きの関係

「書類不要」の恩恵が受けられる前提条件

登記情報連携が進めば、役所での手続きで登記事項証明書を提出する手間が省けるようになる見込みです。相続に関連する行政手続き(高齢者向け福祉サービスの申請・空き家対応・固定資産関連の申請など)でも、行政機関の職員が直接システムから確認できるようになることが期待されています。

しかし、ここに重要な前提があります。デジタルで確認される登記情報が正確であることが、連携のメリットを受ける大前提です。登記名義が何十年も前の故人のままになっていたり、住所変更が登記に反映されていない状態では、連携システムが動いていても正確な情報が確認されません。

デジタル化の恩恵を受けるためには、「デジタルで確認される情報が正確かどうか」という基本の確認が先です。登記情報連携が進むほど、登記の中身の正確さが重要になります。

相続登記義務化・住所変更登記義務化との関係

2024年4月に施行された相続登記の義務化と、2026年4月1日に施行された住所・氏名変更登記の義務化は、まさにこの「登記情報の正確さ」を担保するための制度です。所有者不明土地の発生原因の約63%が相続未登記、約29%が住所変更未登記(令和6年国土交通省調査・政府広報オンライン)とされているように、登記情報が現実と乖離した状態は社会問題になっています。

登記情報連携のデジタル化と、登記義務化は同じ方向を向いた取り組みです。相続人が速やかに登記を行うことが、行政手続きのデジタル化の恩恵を受ける条件にもなります。

今から準備すべきこと:登記情報連携の時代に向けて

まず確認すること①:未登記不動産の有無
固定資産税の納税通知書に記載されている不動産と、登記事項証明書の名義を照合し、未登記・旧名義のままの不動産がないかを確認する。2024年以前の相続で未登記のものは2027年3月31日が期限。
まず確認すること②:住所変更登記の有無
2026年4月1日から住所・氏名変更登記が義務化(不動産登記法第76条の5)。変更日から2年以内に変更登記が必要。施行前の未変更分は令和10年3月末まで対応が必要。
デジタル化が進んでも変わらないこと
登記情報連携が整備されても、遺言書・相続人申告登記・遺産分割協議の重要性は変わりません。手続きが便利になる一方で、「誰が何を取得するか」という意思の確定は依然として人の判断が必要です。
生前に整えておくべきこと
遺言書の作成・家族への財産の伝達・不動産の名義整理——これらの準備は、デジタル化の進展に関わらず、今から行えることです。準備が整っていれば、デジタル化の恩恵を最大限に受けられます。

福岡市東区・香椎エリアでも、「祖父の代から登記が変わっていない」「住所変更を登記に反映していない」というご相談は増えています。登記情報連携が進む時代に向けて、まず自分の不動産の登記状況を確認することが最初の一歩です。

法務省の登記情報連携に関する最新情報は随時更新されています。詳細は法務省の公式ページでご確認ください。香椎相続不動産事務所では、相続登記の状況確認から専門家(司法書士)のご紹介まで、初回相談から一体的にご支援しています。まずはお問い合わせ・無料相談からどうぞ。

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香椎相続不動産事務所では初回相談無料でご対応しています。
相続登記の状況確認・専門家のご紹介・遺言書作成・相続不動産活用まで一体的にサポートします。
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TEL: 092-202-2300

またはお問い合わせフォームからご連絡ください

本記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。「登記情報連携」の拡大に関する情報は法務省・デジタル庁の公表資料(令和7年4月公表・令和6年改定実施計画等)に基づいています。現時点での登記情報連携は主に地方公共団体(行政機関)向けの連携であり、民間金融機関(銀行等)との直接連携の時期・範囲については今後の動向を継続確認する必要があります。ひたちなか市での試行結果(約44時間削減)は法務省公表の速報値です。相続登記の義務化(2024年4月1日施行)・住所変更登記の義務化(2026年4月1日施行)の詳細は法務省の公式発表をご確認ください。記事内の情報はあくまで参考としてお読みいただき、具体的なご判断の際は必ず専門家へのご相談をお願いいたします。

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