2025年度拡大「登記情報連携」で何が変わる?
役所・相続手続きが変わる背景と今できる準備
― デジタル化が進んでも「登記情報の正確さ」が前提になる ―
「役所に行くたびに、法務局で取ってきた登記事項証明書を提出しなければならない」——この手間をなくす取り組みが、法務省とデジタル庁により本格化しています。「登記情報連携」と呼ばれるこの仕組みは、令和7年度(2025年度)に地方公共団体での利用を大幅に拡大する方針が示されており、相続登記の義務化とあわせて、不動産に関わる手続きの環境が大きく変わりつつあります。この記事では、登記情報連携の現在地と、相続に関わる方が今から考えておくべきことを整理します。
この記事を読むと得られること(FAQ)
「登記情報連携」とは何か:仕組みと現在地
これまで行政機関での各種手続きでは、不動産の権利関係を証明するために「登記事項証明書」を法務局で取得して提出する必要がありました。法務局への往復・窓口での待ち時間・1件あたり約600円の取得費用——これらが国民の負担になっていました。
「登記情報連携」は、この構造を変えるための取り組みです。法務省とデジタル庁が共同で整備している登記情報連携システムにより、行政機関の職員が端末から直接・即時に登記情報を確認できるようになります。住民が証明書を取り寄せて持参する必要がなくなり、行政手続きがスムーズになることが期待されています。
令和6年10月にひたちなか市で実施した試行では、2週間の抽出調査で約44時間の業務削減効果が確認されました(法務省・2025年5月公表資料)。年間換算で1,000時間以上の削減効果が見込まれており、全国展開が進めば数十億円規模の削減効果になるとされています。
登記情報連携の拡大:現在地と今後の方向性
先行開始
試行
拡大中
拡充予定
コメントや一部報道にある「2026年10月施行」「銀行での手続きが即時完了」は、現時点では公式に確認できる情報ではありません。現在の登記情報連携は主に地方公共団体(役所)向けの行政機関間の連携であり、銀行等の民間金融機関との直接連携は今後の検討事項となっています。過大な期待を持たず、正確な現在地を把握した上で準備することが重要です。
登記情報連携と相続手続きの関係
「書類不要」の恩恵が受けられる前提条件
登記情報連携が進めば、役所での手続きで登記事項証明書を提出する手間が省けるようになる見込みです。相続に関連する行政手続き(高齢者向け福祉サービスの申請・空き家対応・固定資産関連の申請など)でも、行政機関の職員が直接システムから確認できるようになることが期待されています。
しかし、ここに重要な前提があります。デジタルで確認される登記情報が正確であることが、連携のメリットを受ける大前提です。登記名義が何十年も前の故人のままになっていたり、住所変更が登記に反映されていない状態では、連携システムが動いていても正確な情報が確認されません。
相続登記義務化・住所変更登記義務化との関係
2024年4月に施行された相続登記の義務化と、2026年4月1日に施行された住所・氏名変更登記の義務化は、まさにこの「登記情報の正確さ」を担保するための制度です。所有者不明土地の発生原因の約63%が相続未登記、約29%が住所変更未登記(令和6年国土交通省調査・政府広報オンライン)とされているように、登記情報が現実と乖離した状態は社会問題になっています。
登記情報連携のデジタル化と、登記義務化は同じ方向を向いた取り組みです。相続人が速やかに登記を行うことが、行政手続きのデジタル化の恩恵を受ける条件にもなります。
今から準備すべきこと:登記情報連携の時代に向けて
福岡市東区・香椎エリアでも、「祖父の代から登記が変わっていない」「住所変更を登記に反映していない」というご相談は増えています。登記情報連携が進む時代に向けて、まず自分の不動産の登記状況を確認することが最初の一歩です。
法務省の登記情報連携に関する最新情報は随時更新されています。詳細は法務省の公式ページでご確認ください。香椎相続不動産事務所では、相続登記の状況確認から専門家(司法書士)のご紹介まで、初回相談から一体的にご支援しています。まずはお問い合わせ・無料相談からどうぞ。
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