路線価5年連続上昇の今こそ
——相続「戦略」は誰に相談すべきか
― 税理士・司法書士は「戦術家」。では「戦略家」は誰か ―
2026年7月1日、国税庁が令和8年分の路線価を公表しました。全国平均は前年比2.9%上昇し、5年連続の上昇です。路線価が上がるということは、土地の相続税評価額も上がり続けているということです。このタイミングで「相続のことは税理士に聞け」「相続登記は司法書士に」と言われますが、その前に考えるべきことがあります。誰に何を聞くかという「戦術」より先に、相続をどう設計するかという「戦略」が必要です。生前の準備こそが、その戦略の始まりです。
この記事を読むと得られること(FAQ)
路線価5年連続上昇が意味すること
2026年(令和8年)分の路線価は、国税庁の公表によれば全国平均で前年比2.9%の上昇となりました。現在の算出方法となった2010年以降で最大の上昇率です。都道府県庁所在都市の最高路線価は、バブル期以来35年ぶりに全都市でプラスか横ばいとなりました。
これが相続にとって何を意味するかというと、シンプルに言えば「土地の相続税評価額が上がっている」ということです。5年前に試算した相続税額は、今の路線価では過小評価になっている可能性があります。とくに土地を多く保有している方にとっては、このタイミングで改めて相続の全体像を見直す機会です。
路線価は公示地価のおおむね80%水準で設定されています。路線価が上昇しているということは、実勢の地価もそれ以上に上昇している可能性があることを意味します。自分の土地の路線価を確認するには、国税庁の財産評価基準書(路線価図・評価倍率表)で検索できます。
「誰に聞くか」より先に考えるべきこと
相続の準備を始めようとしたとき、多くの方が最初に直面するのは「誰に相談すればいいのか」という問いです。「相続税なら税理士」「相続登記なら司法書士」「揉めそうなら弁護士」——こうした情報はある程度正しいのですが、根本的な問いに答えてくれていません。
それは「自分の相続全体をどう設計するか」という問いです。誰に何を頼むかという「戦術」は、その後の話です。戦略なき戦術は、優秀な専門家を集めても方向を誤ることがあります。
各専門家の役割と限界:整理表
| 専門家 | 得意な領域(戦術) | 相続全体の設計(戦略) |
|---|---|---|
| 税理士 | 相続税の申告・計算・税務上の節税対策 | 税の観点からの助言は得られるが、不動産活用・家族関係・遺言設計の総合判断は専門外 |
| 司法書士 | 相続登記・遺言書の形式整備・会社登記 | 法的手続きの専門家。財産分配の方針設計・税務・不動産活用は専門外 |
| 弁護士 | 遺産分割の争い・調停・訴訟・遺留分請求 | 紛争解決の専門家。紛争が起きる前の予防設計・不動産活用は専門外 |
| 不動産会社 | 不動産の売却・賃貸・活用・査定 | 不動産の観点からの助言は得られるが、税務・法的整備は専門外 |
| 相続コンサルタント | 相続全体の方針設計・専門家のコーディネート | 税務・登記・不動産・家族関係を統合した全体設計が主な役割 |
生前の準備から始まる「戦略」とは何か
相続コンサルタントに相談するということは、「どの書類を誰に頼むか」を決めることではありません。「自分の財産と家族の状況を整理した上で、どのような相続の絵を描くか」を考えることから始まります。
具体的には次のような問いが「戦略」の中心です。誰にどの財産を残すか。不動産は誰が取得し、どう活用するか。介護や生活支援をしてくれた家族の貢献をどう評価するか。節税よりも家族の円満を優先すべき局面はどこか。遺言書で何を決め、何を家族の話し合いに委ねるか。
香椎相続不動産事務所が大切にしている「役割相続」という考え方があります。家族の中で誰がどのような役割を担ってきたか——介護・家事・経済的支援——そうした貢献を踏まえて遺産を分けるという発想です。これは税法や民法が教えてくれることではなく、相続設計の「戦略」の中でこそ考えられることです。
路線価上昇の今、動くべきタイミング
路線価が5年連続で上昇している今は、相続の準備を考えるタイミングとして最適です。地価が上がれば相続税評価額も上がり、対策の必要性が高まります。同時に、対策を取れる時間は生前にしかありません。
「相続はまだ先の話」と感じている方ほど、実は今が最も動きやすい時期です。専門家への相談も、追い込まれた状況より余裕のある状況の方が、より良い判断ができます。
路線価は毎年7月1日に公表されますが、土地の評価額はそれだけで決まるわけではありません。土地の形状・接道状況・利用状況・各種特例(小規模宅地等の特例など)の適用によって、実際の相続税評価額は大きく変わる可能性があります。自分の土地の相続税評価額の把握には、税理士への相談が必要です。
福岡市東区・香椎エリアでも、「路線価が上がったと聞いて心配になった」「そろそろ相続の準備をしたいが何から始めればいいか分からない」というご相談が増えています。香椎相続不動産事務所では、相続全体の方針整理・遺言書の設計・不動産の活用方針の整理まで、一体的にご支援しています。まずはお問い合わせ・無料相談から、相続の全体像の把握を始めてみてください。
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