代表の想い

なぜ相続の準備が必要だと考えているのか

「親子だからこそ、
言い出せないことがある。

かつて仕事柄、相続問題を目の当たりにすることも多かったことから、父に相続の話を切り出したことがあります。「一緒に考えておきたい」という純粋な気持ちからでした。ところが父は、困ったような顔で「そういう話は、まだ早い」と言葉を濁しました。

香椎で生まれ、香椎に戻ってきた。

生まれも育ちも福岡、香椎です。小学校からずっと地元で過ごし、福岡大学を卒業後は測量設計の専門学校で測量を学び、測量設計コンサルタント会社へ就職しました。その後、官公庁向けのソフトウェア会社に転じ、不動産登記や固定資産税、地籍関係のシステム営業を担当。その仕事で5年ほど県外に勤務しました。

でも、やっぱり福岡が好きで。気づけばUターンして、この街に根を張っていました。44歳で不動産業を開業し、以来、香椎を拠点に地域のお客様と向き合いながら日々の実務を重ねてきました。

不動産の仕事が、相続の現実を教えてくれた。

不動産の仕事をしていると、相続の場面に立ち会うことが少なくありません。売却の相談だと思って話を聞いていると、その背景に家族間の複雑な事情があったり、話がとん挫したり、そこから相続問題が大きくなっていくケースを目の当たりにしてきました。

そうした経験を重ねるうちに、「生前の相続の準備がどれだけ大切か」を改めて感じるようになりました。

「相続税がかからないから大丈夫」は、本当でしょうか。

地域の施設で開かれる相続相談会に出向いたり、様々な方からお話を聞いたりしていると、あることに気づきます。相続税がかかるご家庭は、実は全体の1割にも満たない。でも、トラブルが起きるのは、むしろそれ以外の普通のご家庭に多いのです。

相続税がかかるほどの財産をお持ちの方は、生前から税理士や司法書士と相談し、しっかり準備されていることがほとんどです。一方で「うちには大した財産はないから」と思っているご家庭ほど、何も準備しないままその日を迎えてしまう。その結果、家族の間に思いがけない「くすぶり」が生まれることがあります。

過去の痛みを、子どもたちへの愛に変えて。

相談会でお会いする方の中に、忘れられない言葉を残してくださる方がいます。

「自分が親の相続でひどい思いをしたから、
子どもたちには同じ思いをさせたくないんです。」

肉親を亡くした悲しみの中で、さらに家族が傷つけ合う——その経験がどれほど辛いものであったか。それでもその痛みを糧に、大切な我が子のために一歩を踏み出そうとされている。そのご相談は、私にとって毎回、胸を打つ、本当に素晴らしい決断だと思っています。

過去は変えられません。でも、これからの家族の未来は、今日の準備で変えることができます。

その財産は、その家族にとってのかけがえない財産だった。

一度、こんな話を聞きました。数百万円の相続財産をめぐって、ご兄弟がそれぞれ弁護士を立てて争いになったというのです。

財産の大きさは、人によって違います。ある人には小さく見える金額でも、その家族にとっては親が一生かけて残してくれた、かけがえのない財産だったはずです。だからこそ、誰もが真剣になる。それは当然のことだと思います。

しかし最終的に分割はできたものの、双方の弁護士費用を引くと手元に残るお金はわずか。そして、長年ともに育った兄弟の関係が、その後どうなったか——想像するだけで胸が痛くなります。

お金は減っても、また稼ぐことができるかもしれない。でも、家族の縁はそうはいきません。準備にかかる費用よりも、失うものの方がずっと大きいことがある。そのことを、私はこの仕事を通じて何度も実感してきました。

備えることは、家族への贈り物。

「費用がかかるなら、やっぱりいいか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに、生前の準備には多少の費用がかかります。でも、トラブルになってからでは、費用も時間も、そして大切な関係も、取り返しがつかなくなることがあります。

相続は、財産の話である前に、家族の話です。誰かが損をする話ではなく、みんなが納得して次の世代へとつないでいく——それが本来の相続の姿だと、私は思っています。今日の備えは、未来の家族への、静かで確かな贈り物です。

親子だから伝わるとは限らない。その気まずさが、この仕事の原点です。
第三者という立場だからこそ、私はその「最初の一歩」のお手伝いができます。

「何を相談すればいいか分からない」「まだ早いかな」——
そんな気持ちで十分です。どうぞ、お気軽にご連絡ください。

香椎相続不動産事務所 代表 稲永 文紀
無料相談のお問い合わせはこちら
上部へスクロール
PAGE TOP