相続税、ついに「10人に1人」の時代へ

相続税の申告書類と電卓が置かれたデスクのイメージ

相続税、ついに「10人に1人」の時代へ
― 地価上昇・税制改正が迫る、いま必要な相続の準備とは ―

「うちは相続税なんて関係ない」と思っていたご家庭が、いつの間にか課税対象になっていた――そんなケースが急増しています。国税庁の発表によると、2024年に亡くなった方のうち相続税の課税対象となった割合は10.4%に達し、統計開始以来初めて1割を超えました。地価の上昇と税制の変化が重なるいま、「知らなかった」では済まされない時代が来ています。

この記事を読むと得られること(FAQ)

Q. なぜ相続税の課税対象者がここまで増えているのですか?
A. 都市部を中心とした地価の上昇により、これまで基礎控除の範囲内だったご家庭が知らぬ間に課税ラインを超えるケースが増えています。少子化による相続人数の減少と、基礎控除額の引き下げの影響も重なっています。
Q. タンス預金や名義預金は税務署に分かりますか?
A. 分かります。金融機関の記録は税務署に対してほぼ完全に開示されており、現金化した資金の行方も調査されます。税務調査が入れば家族名義の預金(名義預金)まで徹底的に確認されます。
Q. 相続税の対象でない家庭でも相続トラブルは起きますか?
A. はい。相続トラブルの多くは、相続税のかからない一般的な家庭で起きています。財産の分け方をめぐる感情的な対立は、財産の多寡にかかわらず発生します。生前の準備と家族間の対話が最大の予防策です。

「10人に1人」課税の時代――何が起きているのか

2025年12月に国税庁から発表されたデータによると、2024年の相続税課税割合は10.4%、申告税額の総額は3兆2,446億円と、比較可能な2015年以降で過去最高を記録しました。

10.4%
相続税の課税割合
(統計開始以来初の1割超)
3.2兆円
申告税額の総額
(2015年以降で過去最高)
約5人に1人
申告者のうち税務署から
何らかの指摘を受けた割合

課税対象者が増え続ける2つの理由

背景には大きく2つの要因があります。一つは地価の上昇です。都市部を中心に土地の評価額が上がったことで、これまで基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の範囲内に収まっていたご家庭が、知らぬ間に課税ラインを超えてしまっています。

もう一つは、少子化による相続人数の減少と、2015年に行われた基礎控除額の引き下げの影響が年を追うごとに広がっているという構造的な変化です。福岡市・九州エリアでも、地価上昇の影響は例外ではありません。

相続財産の内訳――不動産が約3割を占める現実

相続財産の構成比を見ると、最も多いのは「現金・預貯金等(34.9%)」、次いで「土地(30.2%)」、「有価証券(17.8%)」の順です。

注目すべきは、依然として土地が約3割を占めているという事実です。現金や有価証券は額面がそのまま評価額になりますが、土地は路線価や倍率方式による評価が適用されます。地価が上昇している現在、ご自身の想定よりも不動産の評価額が高くなっており、それが予想外の相続税発生につながるケースが増えています。

一方で、不動産は「小規模宅地等の特例」などを活用することで評価額を大きく抑えられる資産でもあります。現金で持ち続けることのリスクと、不動産を上手に活用することの重要性を、あらためて見直す必要があります。

税務調査は年々厳しく――タンス預金も必ず分かります

今回の発表でもう一つ見逃せないのが、税務調査の強化です。実地調査件数は年間9,512件、電話・面接などによる簡易な接触は21,969件に及びます。申告者のおよそ5人に1人が税務署から何らかの指摘や確認を受けている計算です。

預金の動きは金融機関の記録を通じてほぼ完全に把握されています。現金をタンス預金にしても、税務署の目は誤魔化せません。税務調査では金庫の中身だけでなく、家族名義の預金(名義預金)まで徹底的に調べられます。隠蔽が発覚すれば、重加算税という高いペナルティが課されます。

海外資産・無申告への監視も急増

海外資産に関する実地調査は前年度比43.5%増の1,359件に急増。各国の税務当局との情報交換制度を活用した摘発も増え、「海外にある財産はわからない」という考えはもはや完全に過去のものです。

無申告への調査でも650件中86.5%が「申告が必要だった」と特定され、平均1件あたり2,187万円の追徴課税を受けています。追徴税額総額は142億円で過去最高となりました。マイナンバー制度の普及と金融機関との連携強化により、税務署は個人の資産状況をかつてないほど詳細に把握しています。

令和8年度税制改正で何が変わるのか

2025年12月に発表された令和8年度税制改正大綱では、相続・不動産に関わるルールの見直しが盛り込まれました。主なポイントは以下の通りです。

改正ポイント 1
賃貸不動産に「5年ルール」が導入
相続開始前5年以内に取得した賃貸不動産は、通常の取引価額(時価)に近い水準で評価されることになります。相続直前の「駆け込み購入」による評価圧縮効果は大幅に制限されます。
改正ポイント 2
不動産小口化商品は取得時期にかかわらず時価評価へ
現在保有中の小口化商品も、令和9年以降に相続・贈与が発生すればすべて時価評価となります。これまでの評価額と時価の差額によるメリットは消滅します。
改正ポイント 3
「5年以上前から所有の土地での新築」は例外規定あり
通達が出る前に、5年以上前から所有している土地でアパート等を建て始めれば、5年ルールの対象外となる可能性があります。土地をお持ちの方には重要な経過措置です。

令和9年1月1日の適用開始まで約1年の猶予があります。ただし「通達が出る日」がいつになるかは未定のため、早めの行動が求められます。「数年前に税理士に対策してもらったから大丈夫」という油断が、今の時代における最大の落とし穴です。

香椎相続不動産事務所が考える「今すべき準備」

課税対象者の拡大、税務調査の強化、そして税制改正――この三重の変化が重なるいま、最も大切なのは「自分たちの財産の現状を正しく知ること」から始めることです。

  • 最新の地価(路線価・時価)で財産を再試算する:数年前の評価額はすでに実態と乖離している可能性があります
  • 令和8年度税制改正の影響を確認する:既存の賃貸不動産・小口化商品の取得時期と評価乖離を棚卸しましょう
  • 遺言書と役割相続で家族間トラブルを防ぐ:相続税のかからない家庭でも、遺産分割をめぐるトラブルは多く発生しています
  • 早めに専門家へ相談する:対策には時間がかかります。今日動き始めることが、最大の資産防衛になります

香椎相続不動産事務所では、福岡市東区・香椎を拠点に、最新の税制と地価動向を踏まえた相続コンサルティング・遺言書作成・相続不動産活用のご支援を行っています。提携税理士とともに、現状の試算から対策の設計まで一体的にサポートします。

まずは無料相談からお気軽にどうぞ

香椎相続不動産事務所では初回相談無料でご対応しています。
福岡市東区香椎2丁目8-4|相続コンサルティング・遺言書作成・相続不動産活用

TEL: 092-202-2300

またはお問い合わせフォームからご連絡ください

本記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。令和8年度税制改正大綱は改正案であり、今後の国会審議等で細部が変更される可能性があります。法律・税制は改正される場合があります。記事内の情報はあくまで参考としてお読みいただき、具体的なご判断の際は必ず専門家へのご相談またはご自身での最新情報のご確認をお願いいたします。

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