相続人に未成年がいる場合の相続手続き
相続の際に遺産分割協議を行いますが、相続人に未成年がいる場合は、制限行為能力者であるため、少し手続きが大変になります。
未成年者の「特別代理人」とは
遺産の分割方法を話し合いで決める、「遺産分割協議」は、相続人全員が参加し同意することが必要になります。しかし相続人に未成年がいる場合は事情が変わってきます。制限行為能力者である未成年の相続人は、遺産分割協議に参加することができません。
通常、未成年が法律上の問題について判断を下す場合、親や後見人が「法定代理人」としてサポートしなければなりません。ところが相続の場合、未成年者の親自身も未成年の子と同じ相続人と言う立場で、お互いの利益が相反するケースがあります。したがってこのような場合、親は未成年者の法定相続人にはなれず、「特別代理人」を選任する必要があります。
民法における特別代理人(未成年者)
親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない(民法826条)とされているほか、民法上では嫡出否認の訴えを行う場合に親権を行う母がないときは特別代理人を選任されることとなっている(民法775条)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E4%BB%A3%E7%90%86%E4%BA%BA
相続では親子でもお互いの利益が相反してしまう
例えば、お父さんが亡くなった家族に、お母さんと長女と次女の2人が残されました。このケースの場合、法定相続人は以上の3人となりますが、この次女一人が未成年の場合、母親と次女は同じ相続人という立場であり、母親が次女の法定代理人として遺産分割協議を行う事が出来ません。なぜならば母親が次女へ「悪いようにしないからお母さんのいう通りにしなさい」などと強制し、自らの都合の良いように遺産分割協議が進んでしまう可能性があるからです。そこで相続に関係のない第三者を「特別代理人」として選任し、次女の代理人として遺産分割協議に参加してもらうことが必要となります。
このような場合の特別代理人には、「相続権がないこと」が大前提となり、それを満たしていれば、親戚の人などでも構いません。ただし、遺産分割協議は公平であることが望ましいため、弁護士や税理士などに任せることもあります。
なお、特別代理人の選任手続きは、親権者が家庭裁判所で申請を行うことで、可能となります。また、次女がまもなく20歳を迎えるのであれば、次女が成人してから遺産分割協議を行うという方法もあります。
また先ほどは、次女が未成年であるケースでしたが、長女も未成年である場合、それぞれに特別代理人の選任が必要となります。
特別代理人選任について
- 申し立てを行える人
・親権者
・利害関係人 - 申し立て先
・子の所在地の家庭裁判所 - 申し立てに必要な費用
・ 収入印紙800円分(子1人につき)
・連絡用の郵便切手 - 申し立てに必要な書類
・申し立て書
・未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
・親権者又は未成年後見人の戸籍謄本(全部事項証明書)
・特別代理人候補者の住民票又は戸籍附票
・利益相反に関する資料(遺産分割協議書案,契約書案・抵当権を設定する不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)等)
・(利害関係人からの申立ての場合)利害関係を証する資料(戸籍謄本(全部事項証明書)等)
裁判所HP: 特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)
詳細について、ご不明な点がありましたら、福岡市東区の香椎相続不動産事務所へお気軽にお問合せください。
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